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家路

Category : 徒然映画
家路

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家族を一度に失った老人の心情。

ポルトガル出身のマノエル・デ・オリヴェイラ監督の作品です。なんと現在101歳にして現役の映画監督でもあります。すると、この作品を手掛けたのは90歳を超えてからですか・・・スゴイ!

でも、オリヴェイラ監督ぐらいのご高齢でなければ、この作品は創れないのかも。

ジルベール・ヴァランスはベテランの舞台俳優。老いてもなお人気は衰えず、また、彼自身も役者として現役であることに意欲を燃やし続けているかのようです。

しかし、舞台「瀕死の王」の終幕直後、妻と娘夫婦の交通事故を知らされ病院へ直行しますが、3人とも亡くなってしまいました。

それからしばらくした後・・・。ジルベールは舞台に復帰します。

娘夫婦には一人息子のセルジュがいました。孫息子セルジュはジルベールとともに暮らすことになります。セルジュとはすれ違いの生活でしたが、家政婦のギレルミーヌがセルジュの面倒を見ています。

まるで何事もなかったかのように暮らすジルベール・・・しかし、彼の心には彼自身にも気付かない傷があったのです・・・。

そして、その心の傷に気付いたジルベールがとった行動とは・・・。

驚くほど淡々と時が過ぎていきます。

ドラマチックな展開などなく、さながらドキュメンタリーであるかのようです。

カフェのエピソードは面白く仕上げていますが、このエピソードは現実でもありそうですよね。

同じ道順、同じ店、同じ席、同じコーヒー、同じ新聞、同じ景色。

1つでも違うと、わだかまりが生まれ気分がすぐれなくなるときも・・・。

いつもいた家族を一度に失ったジルベール・・・平常でいられるわけがありません。

靴を購入したのも、平常ではいられない・・・今までと違うことをしたいという現れなのでしょうか。

しかし、その靴も・・・何もかもうまくいかなくなるジルベール。彼の心の拠り所は孫息子のセルジュが待つ家だけ・・・。セルジュとはすれ違いの生活でしたが、朝だけはセルジュがジルベールの寝室を覗きに来て、少しの間だけ語らい、学校へ行く姿を2階から見つめる・・・しかし、その時の穏やかな表情から、亡くなった家族の写真を見つめる寂しげな表情への移り変わりが、まだ立ち直っていないことを物語っているかのようでした。

ジルベール役にはミシェル・ピコリ。ほとんどのシーンに登場しています。さすが名優。セリフがないシーンでもジルベールの孤独と苦悩が伝わってきます。

他にも、

舞台「瀕死の王」の王妃役を演じる女優役のカトリーヌ・ドヌーヴ。
後半で登場する映画「ユリシーズ」のアメリカ人監督ジョン・クロフォード役のジョン・マルコヴィッチ。

ほとんどカメオ出演的な脇役に徹しています。何とも贅沢なキャスティング。それでもカトリーヌ・ドヌーヴの存在感は圧倒的で、ジョン・マルコヴィッチの怪演ぶりはわずか数分間のシーンでも嫌というほど存分に味わえます^^

ラスト。

アメリカ映画「ユリシーズ」に急遽、代役として出演が決まったジルベール。慣れない英語に悪戦苦闘するのですが・・・。

いやぁ、驚きました。まさか、ここでエンディングを迎えるとは・・・タイトルの「家路」は、このクライマックスのためにあるのですね。

その後、ジルベールは立ち直ったのでしょうか?

何も言わず、2階の寝室へと行くジルベール・・・その姿を悲しそうに見つめるセルジュ。

セルジュの瞳を見つめると、彼も幼いながらに両親の死から立ち直ろうとしていたのかもと気付かされます。さらに、毎朝、ジルベールの寝室を覗いていたのは、自分の寂しさをまぎらわせるためだけでなく、ジルベールを心配していたのかもしれない・・・そんなことまで考えてしまいます。

老いてから感じる孤独・・・「家」に帰れる幸せを感じられる作品でした。


★★★★★★★☆☆


Title:
JE RENTRE À LA MAISON

Country:
France/Portugal (2001)

Cast:
(Gilbert Valence)MICHEL PICCOLI
(Marguerite)CATHERINE DENEUVE
(John Crawford, Film Director)JOHN MALKOVICH
(George)ANTOINE CHAPPEY
(Sylvia)LEONOR BALDAQUE
(Serge)JEAN KOELTGEN
(Guilhermine, the Housekeeper)MAURICETTE GOURDON

Director:
MANOEL DE OLIVEIRA


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