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さらば、わが愛/覇王別姫

Category : 徒然映画
さらば、わが愛/覇王別姫

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時代に翻弄されながらも愛に生きる京劇役者の人生。

その年のカンヌ国際映画祭パルム・ドールを受賞したチェン・カイコー監督の作品です。激動の時代だった北京を舞台に、京劇に身を捧げた2人の男の人生を描いています。

1924年。幼い小豆は遊郭で働く女郎の母艶紅に連れられ京劇の稽古場へとやって来ます。艶紅は座長の關に「遊郭ではもう育てられない。」と小豆を引き取ってもらうよう懇願します。

しかし、關は小豆の指を見て断ってしまいます・・・小豆の指は6本あったのです。

艶紅は、何とか引き取ってもらうよう、何と小豆の6番目の指をその場で切り落とすのです。その日から、小豆は京劇の厳しい稽古の日々を送ることになるのですが・・・。

この母が遊郭の女であったことが、青年になって出会う菊仙に嫌悪する1つの要因であったのかもしれませんね。

小豆はその稽古場で1人の少年にいつも守られるようになります。少年の名は石頭。その名の通り、頭で石を割ってしまう勇敢な少年でした。

まるで兄弟のような2人・・・成長した2人は京劇「覇王別姫」の主人公とヒロインを演じるようになるのですが、女形である小豆は「女として生を受け・・・」とどうしても言えず「男として生を受け・・・」と言ってしまいます。

この頃の小豆は、現実と舞台を区別できていたのか・・・その後の小豆をみると、区別できるほど器用ではないなので、むしろ、現実にいながら役をただ演じていただけなのでしょうね。

しかし、石頭が涙を流しながら女形を強要したり、張翁の男色の餌食にされてしまったり・・・小豆は現実と舞台の区別がつかなくなってしまいます。

そして「覇王別姫」と同じように楚王を演じる石頭を愛するようになってしまうのですが・・・。

少年時代のエピソードは、繊細な小豆と頼れる石頭の関係が丁寧に描かれ、それが青年時代への布石になっています。

1937年。小豆は「程蝶衣」、石頭は「段小樓」という名で京劇界のトップスターになっているところから始まります。

特に程は、京劇界の総元締めである袁にも気に入られるほどの女形へと成長しています。そんな2人の楽屋でのシーンはほとんど夫婦のような関係ですね。しかし、そのように思っているのは程だけ。女好き段は、遊郭の女郎である菊仙を本気で愛するようになってしまいます。

段は少年時代と変わらずヤンチャですね。本能の赴くままに行動しているかのようです。何にも縛られず自由に生きたかったのかもしれません。

菊仙は芯の強い女性ですね。男勝りの負けん気があります。彼女の願いはただひとつ。段との幸せな普通の暮らし。段への一途な愛が悪女にさせたり逆に自身を苦しめたりすることになるのですが・・・。

程は普段から完全に役に入り込んでいる様子。「覇王別姫」の楚王の妻、愛姫のごとく、楚王役の段を一途に愛しています。しかし、段は菊仙と結ばれてしまい、程は動揺を隠せなくなり、袁の誘いに応じて彼の屋敷へと・・・。

青年時代は段、菊仙、程の関係が描かれていきます。

段役にはチャン・フォンイー。菊仙と程から愛される役ですが、決して二枚目というわけではないですね。人間味のある男っぽさが段にピッタリです。

菊仙役にはコン・リー。菊仙の存在が荒波を立てることになるのですが、重要なこの役を見事に演じ切っています。彼女の顔の表情がセリフがなくても菊仙の感情を物語っています。

程役にはレスリー・チャン。程が愛姫になりきっているように彼も程になりきっているかのようでした。女性らしいしおらしさのある立ち居振る舞い・・・素晴らしいですね。

嫉妬に燃える程と菊仙。2人の対決がみどころになるのですが、菊仙は段に愛されているとわかっているはずなのに、程と度々衝突するのは、程の段への愛情が怖かったからなのでしょうか。自分より段を愛しているのでは?という不安もあったのかもしれませんね。

程は程でどうすることもできない歯がゆさから自暴自棄になっていく様は痛々しくもあり・・・。程は一度でも段に告白したのでしょうか・・・していないようにみえますね。舞台の中では相思相愛であるから、告白するという考えそのものがなかったのかなぁ・・・。

こんなとき、段が諭せば良いと思うのですが、彼は論理派ではないですし、面倒なことは首をつっこみたがらないような性格でしたからねぇ。

数々の事件が起きますが、3人の関係はほとんど平行線を保ったまま時は流れます。

しかし、1966年の文化大革命によって京劇が悪しき文化と見なされてしまいます。炎を囲んだ民衆の輪の中に放り出された段と程、そして、2人の姿を見つめる菊仙・・・3人の想いは・・・。

愛、裏切り、憎しみ、不安、嫉妬、狂気・・・さまざまな感情が入り混じった衝撃のシーンでしたね。

まさに「四面楚歌」・・・「覇王別姫」のように周りを敵兵で囲まれたかのようになす術がなくなった状態・・・絶望した段がとった言動は、最も人間らしいのかもしれません。

ラスト。

程が愛姫であったのように、菊仙も愛姫だったのでしょうね。

菊仙は現実の愛姫として、程は「覇王別姫」の愛姫として・・・菊仙は程に「覇王別姫」の愛姫を演じ続けて欲しいと願い、刀を渡したかのようでしたね。

そして、程はその願いを受け入れ最後の舞を舞ったのでしょうね。


★★★★★★★★★


Title:
BA WANG BIE JI

Country:
China/Hong Kong (1993)

Cast:
(Cheng Dieyi (segment "Douzi"))LESLIE CHEUNG
(Duan Xiaolou (segment "Shitou"))FENGYI ZHANG
(Juxian)LI GONG
(Master Guan)QI LÜ
(Manager)DA YING
(Master Yuan)YOU GE
(Xiao Si (adult))HAN LEI
(Zhang the Eunuch)DI TONG
(Douzi as a Child)MINGWEI MA
(Shitou as a Child)YANG FEI
(Douzi as a Teenager)ZHI YIN
(Shitou as a Teenager)HAILONG ZHAO
(Douzi's Mother)WENLI JIANG

Director:
KAIGE CHEN

Awards:
Cannes Film Festival 1993
(FIPRESCI Prize)KAIGE CHEN
(Golden Palm)KAIGE CHEN

Golden Globes, USA 1994
(Golden Globe(Best Foreign Language Film))

Los Angeles Film Critics Association Awards 1993
(LAFCA Award(Best Foreign Film))KAIGE CHEN

New York Film Critics Circle Awards 1993
(NYFCC Award(Best Foreign Language Film))
(NYFCC Award(Best Supporting Actress))LI GONG


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