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パリ20区、僕たちのクラス

Category : 徒然映画
パリ20区、僕たちのクラス

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パリ20区にある学校の1年間の記録。

その年のカンヌ国際映画祭パルム・ドールを受賞したローラン・カンテ監督の作品です。

舞台となるパリ20区は、欧米、アラブ、アフリカ、アジア・・・さまざまな人種が暮らしている活気ある多文化の区域です。20に区画されたパリの中でも人口が多い区域であり、パリと言っても都会から外れた郊外の雰囲気が作品から感じられます。

そんな地区にある中学校では、新学期の準備に追われています。

新任の教師。ベテランの教師。彼らの自己紹介から作品は始まりますが、とても楽しそうには見えません。

これから始まる1年間・・・生徒たちとの闘いが待っているのです。

国語の教師フランソワは13~14歳の生徒たち24人を受け持つことに・・・人種も文化も言葉も思想も宗教も、そして、彼らの夢もすべて異なる24人の子供たちとフランソワは1年間、真剣に向き合おうとするのですが・・・。

ドキュメントのようでドキュメントではない。しかし、パリ20区の学校の今をリアルに描いている作品です。

まるで世界の縮図を見ているかのようです。

24人の生徒たちは実際にその学校に通う演技経験のない子供たち。担任教師フランソワは、この作品の原作者でもあります。

ストーリーは実際にあったことかというと、そうではなく、生徒たちにはそれぞれが持つ役割を演じてもらっています。しかし、台本は渡さず「ワークショップ」を何度も行うことで、彼らの自然な演技が生まれ、また、ストーリーもその都度変更されていったそうです。

フィクションでもノンフィクションでもない・・・斬新な撮影手法ですね。

とにかく第一印象としては、生徒たちの自己主張の強さにあります。悪く言えば、ワガママ、はねっ返り、やんちゃ、生意気・・・そんな感じかな^^

まずは黒人の少女クンバ。彼女はきっと性格の良い子のはず。話の切り返しも巧い子ですね。ただ、13~14歳という多感な時期で感情の起伏が大きくなってしまっただけなのかなぁ。

クンバの友だちエスメラルダ。彼女はとても頭の良い子ですね。彼女も話の切り返しが巧い子です。ただ頭が良過ぎるあまり人を敬う気持ちに欠けているような・・・彼女の言動は決して気持ちのいいものではありませんでした。

中国人の少年ウェイ。フランス語が得意ではないという設定でしたが、やはりアジア系の人種は、他の人種と比べると感情を表に出さないのかなぁと思ってしまいました。

黒人の少年スレイマン。アフリカ系人種である彼。母親はフランス語をまったく話せません。ストーリーでは一切語られませんでしたが、決して裕福な家庭ではなかったような気がします。勉強もできず、反抗的な態度ばかりとってしまいます(でも、本当の彼はとても優しい子で演じることが好きな子だと監督は話していました)。

そんな彼らと真剣に向き合おうとするフランソワ。

フランソワをはじめ教師たちの姿をみると、彼らも悩みながら生徒たちと向き合い、より良い方向へ導こうとする努力が伝わります。しかし、彼らも人間であり、すべてが正しいわけではありません。

生徒たちに学力や生活態度によって点数を付け、点数が低いと訓戒処分の会議にかけるという制度。「通信簿」のイメージではなく、運転免許の点数制度のほうが近いのかなぁ。会議の結果によっては退学させることも・・・。

生徒の良し悪しを判定する会議に生徒数名をクラスの代表として出席させることにも驚きましたね。「開かれた会議」という名目なのかもしれませんが、その結果がああなってしまうのは目に見えていたのでは?

そして、あの事件。

フランソワの失言は、今の日本だったら即クビでしょうね。でも、あの現場を生で観た者がはたしてフランソワにすべて非があると言えるのでしょうか。

私にはエスメラルダがフランソワに対し、わざと挑発的に話していたように見えました。

そして、負の連鎖がスレイマンへ・・・。

誰が悪い、誰が悪くない・・・あのシーンを見ていてそのような考えが不思議と起きませんでした。でも事態を収拾するべく開かれる会議・・・。

それが社会で生きるということなのかもしれません。

フランソワは「言葉」や「会話」で生徒たちに「社会で生き抜く知恵」を1年を通じて教えたかったのかもしれませんね。

ラスト。

最後の授業で、フランソワは生徒たちに1年間何を教わったのかを問います。

生徒たちが帰った後、片付けを始めるフランソワ・・・そこにまだいた1人の少女がフランソワの問いに対するある告白をします・・・教師にとっては衝撃的な告白だったのではないでしょうか。

でも、彼女の告白は「社会で生き抜く知恵」を教わったことへの不安の表れだったのかも・・・。

学校は何を教えるべきなのか。

子供たちの心の不安や叫びがあのような言動に繋がっているようにも感じられました。


★★★★★★★★


Title:
ENTRE LES MURS

Country:
France (2008)

Cast:
(François Marin)FRANÇOIS BÉGAUDEAU

Director:
LAURENT CANTET

Awards:
Cannes Film Festival 2008
(Golden Palm)LAURENT CANTET


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