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11'09''01/セプテンバー11(イレブン)

Category : 徒然映画

11'09''01/セプテンバー11(イレブン)


Comment:

「9.11」アメリカ同時多発テロを11人の監督の視点から描いたオムニバス映画。


この作品は事件を直接的に言及しているのではなく、監督個人の表現の自由に重きを置いて「9.11」を心に刻ませています。




「イラン」

サミラ・マフマルバフ監督の作品です。300万人のアフガン難民たちは井戸を掘り家を建てています。幼い子供たちも学校へ行かずレンガを作ります。しかし、女性教師は子供たちを学校に行かせたい様子・・・。その理由は・・・。


煙突と世界貿易センターを重ねているのでしょうね。


当たり前のことですが、アラブの人々も事件を悲しんでいるのです。


でも、無邪気な子供たちが可愛らしい反面、あまりの無邪気ぶりに残酷なことを言うなぁと思ったり・・・(^_^;


大人たちが彼らをどのように育てるかで、未来が大きく変わるのでしょうね。




「フランス」

クロード・ルルーシュ監督の作品です。ルルーシュ監督と言えば「男と女」。この短編も、もちろん男と女の物語です。NYで聾者向けの観光ガイドをしている男と聾者の女。同棲生活が1年になった2人の関係は冷めきっていました。


朝から無言の口論を始めてしまう2人。


仲直りしないまま、男は今日の観光地「世界貿易センター」へと向かうのですが・・・。


音を終始無くした作りで、女性の立場でストーリーが進行していきます。


それも、別れの手紙を書くシーンのためだったのでしょうね・・・。


わずかな時間でこれだけの魅せ場を作るルルーシュ監督。さすがです。




「エジプト」

ユーセフ・シャヒーン監督の作品です。事件当日、監督はNYにいたそうです。事件を体験した監督の目の前にあらわれた男は・・・。


「民主主義である以上、市民にも責任がある。」というセリフが印象に残ります。




「ボスニア・ヘルツェゴビナ」

ダニス・タノヴィッチ監督の作品です。足がなく車椅子で生活する男ネディムは、スレブレニカ女性連合のデモに参加するセルマとともに集合場所へ向かうのですが・・・。


「9.11」が起きても衝撃を受けない様子・・・。


ボスニアの長く悲しい歴史は、彼女たちにとって心を痛め過ぎてしまったのでしょうか・・・。




「ブルキナファソ」

イドリッサ・ウエドラオゴ監督の作品です。ブルキナファソという国は西アフリカにあります。この作品は5人組の少年が多額の懸賞金が付けられた「9.11」の首謀者ビンラディンを追いかける小さな冒険を描いています。


11作品の中で一番コミカルな作品でしたね。


多くの死者が出た「9.11」の惨状も知らず、ラジオのみで聞かされる事件は、彼らにとっては何の衝撃を受けていないようです。それより今を生きることが精一杯なのですから・・・。


それにしても、ビンラディン役の人・・・激似です。




「イギリス」

ケン・ローチ監督の作品です。やっぱりケン・ローチ監督は他の監督とは違いますね。


「もう1つの9.11」


詳しくは、コンスタンタン・コスタ=ガヴラス監督の「ミッシング」で描かれていますが、ケン・ローチ監督はその歴史的事実だけを脚色せずに描いています。


「もう1つの9.11」ではアメリカが加害者でした。


イギリス、ロンドンで暮らす当時の被害者であるチリ人の男の悲痛な叫びとアメリカの被害者と遺族たちへの呼びかけが心に突き刺さります。




「メキシコ」

アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督の作品です。「21グラム」、「バベル」で斬新な切り口を魅せる監督ならではの作品でした。


恐怖、絶望、悲しみ、そして、怒り・・・何も語られない映像から感情が押し寄せてくるようでした。




「イスラエル」

アモス・ギタイ監督の作品です。賑わう通りで起きた自爆テロ。混乱する爆破処理班と救急医療班。そこにあらわれたマスコミ。スクープとばかり息巻く女性リポーターでしたが・・・。


事件の重さと命の重さは比例するのか・・・そんなことを考えてしまう作品でした。




「インド」

ミラ・ナイール監督の作品です。NYで暮らすイスラム教徒の家族。「9.11」以降、イスラム教徒だからと目の敵にされる中、息子が失踪してしまいます。そして、マスコミからは「9.11」の犯人と報道されてしまうのですが・・・。


「黒人への人種差別」と何ら変わらないような・・・負の歴史の反省が全く活かされていない悲しい作品でした。




「アメリカ」

ショーン・ペン監督の作品です。さぞかし「アメリカ万歳」的な作品なのだろうと思いきや、事件を間接的に使ったある老人の悲しい物語でした。


日当たりの悪い部屋で1人で暮らす老人。最愛の妻を亡くし、毎朝、彼女の服をベッドの上でコーディネートしています。


何の変化もない日々。薄暗い部屋では植物も枯れてしまいます。


しかし・・・。


ショーン・ペン監督はこういう作品も作れるのですね。魅せ方が巧いです。


希望の光が射し込んでも共に喜びあう人がいなければ・・・。事件の遺族たちの悲痛さを間接的に描いているのでしょうね。


老人役の名優アーネスト・ボーグナインも味のある演技で魅せています。




「日本」

今村昌平監督の作品です。「なぜ?」と言いたくなるような他の監督作品とは一線を画する異色作です。でも、これが今村昌平監督なのでしょうね。


「楢山節考」を彷彿とさせる世界観。キャストも短編作品とは思えない豪華布陣です。


戦場から帰還した息子の変わり果てた姿。身体的には至って健康なものの精神を侵されてしまいました。


息子は人として暮らせず「蛇」として生きるようになってしまったのです。


次第に「蛇」へと変わっていく息子に家族たちは・・・。


どこに「9.11」のテーマを盛り込んでいるのだろうと思ってしまうのですが、ラストシーンの言葉に集約されているのでしょう。


戦争の意義など何もありはしない。


テロはもちろんのこと、報復のための武力侵攻であろうとも、戦争は何ももたらさないことを伝えているようでした。




11の国。

11の文化。


そして、11人の監督。


それぞれの視点からの「9.11」。


「十人十色」ならぬ「十一人十一色」の短編どれもが監督の個性を際立たせていました。



★★★★★★★★☆☆



Title:

11'09''01 - SEPTEMBER 11


Country:

UK/France/Egypt/Japan/Mexico/USA/Iran (2002)


Cast:

((segment "Iran"))MARYAM KARIMI

((segment "France"))EMMANUELLE LABORIT

((segment "France"))JÉRÔME HORRY

((segment "Egypt"))NOUR EL-SHERIF

((segment "Egypt"))AHMED HAROUN

((segment "Bosnia-Herzegovina"))DZANA PINJO

((segment "Bosnia-Herzegovina"))ALEKSANDAR SEKSAN

((segment "Bosnia-Herzegovina"))TATJANA SOJIC

((segment "Burkina-Faso"))LIONEL ZIZRÉEL GUIRE

((segment "Burkina-Faso"))RENÉ AIMÉ BASSINGA

((segment "Burkina-Faso"))LIONEL GAËL FOLIKOUE

((segment "Burkina-Faso"))RODRIGUE ANDRÉ IDANI

((segment "Burkina-Faso"))ALEX MARTIAL TRAORÉ

((segment "United Kingdom"))VLADIMIR VEGA

((segment "Israel"))KEREN MOR

((segment "Israel"))LIRON LEVO

((segment "Israel"))TOMER RUSSO

(Talat Hamdani (segment "India"))TANVI AZMI

((segment "India"))KAPIL BAWA

((segment "India"))TALEB ADLAH

((segment "USA"))ERNEST BORGNINE

((segment "Japan"))TOMOROWO TAGUCHI

((segment "Japan"))KUMIKO ASO

((segment "Japan"))AKIRA EMOTO

((segment "Japan"))MITSUKO BAISHO

((segment "Japan"))TETSURO TANBA

((segment "Japan"))KEN OGATA


Directors:

SAMIRA MAKHMALBAF(segment "God, Construction and Destruction")

CLAUDE LELOUCH(segment "France")

YOUSSEF CHAHINE(segment "Egypt")

DANIS TANOVIC(segment "Bosnia-Herzegovina")

IDRISSA OUEDRAOGO(segment "Burkina Faso")

KEN LOACH(segment "United Kingdom")

ALEJANDRO GONZÁLEZ IÑÁRRITU(segment "Mexico")

AMOS GITAI(segment "Israel")

MIRA NAIR(segment "India")

SEAN PENN(segment "USA")

SHOHEI IMAMURA(segment "Japan")


Venice Film Festival 2002

(FIPRESCI Prize(Best Short Film))KEN LOACH

(UNESCO Award)YOUSSEF CHAHINE

(UNESCO Award)AMOS GITAI

(UNESCO Award)ALEJANDRO GONZÁLEZ IÑÁRRITU

(UNESCO Award)SHOHEI IMAMURA

(UNESCO Award)CLAUDE LELOUCH

(UNESCO Award)KEN LOACH

(UNESCO Award)SAMIRA MAKHMALBAF

(UNESCO Award)MIRA NAIR

(UNESCO Award)IDRISSA OUEDRAOGO

(UNESCO Award)SEAN PENN

(UNESCO Award)DANIS TANOVIC



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Comment

これこれ!

この作品が観たかったんです!

ずっと気になってたのに、レンタルショップになくて、観れませんでした。(ノ_-。)
監督とかの好みもありますが、ルルーシュ監督の永遠のテーマ“男と女”とか興味あります。
ので、この監督の作品とか、ショーンペンの映像美(独特な目線で結構好きです)イントゥザワイルドの映像が素晴らしかったし、ダニス・タノヴィッチはボスニアの“ノーマンズランド”で衝撃を受けたから観たいです。

レンタル店に、リクエストしてみようかな…。
今村監督の作品も気になります。

これだけの名匠たちのショート・ショートって贅沢な趣向ですね。テーマは911だけど、他のテーマでも作ってほしいまぁ…


>Piattさんへ

私が利用しているレンタル店ではVHSしかありませんでした・・・。
見つかるといいですね。

ルルーシュ監督の作品は11作品の中でも素晴らしい作品でしたよ。

ショーン・ペン監督も「そう来たか!」と唸らせる作品です。

「ノーマンズランド」は未見なのでチェックしますね。

こういう豪華監督陣によるオムニバスは
個性がかなり際立つますね。
私も他のテーマでも観てみたいです。

コメントありがとうございました。


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