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ブリキの太鼓

Category : 徒然映画

ブリキの太鼓


Comment:

3歳で成長を止めた少年の数奇な運命。


その年のカンヌ国際映画祭パルム・ドールを受賞したフォルカー・シュレンドルフ監督の作品です。アカデミー賞外国映画賞も受賞しています。


ニュー・ジャーマン・シネマで活躍した監督の中では小人の設定がトレンドだったのでしょうか。ヴェルナー・ヘルツォーク監督の「小人の饗宴」を思い出してしまいました。


主人公オスカルは3歳の誕生日に両親、叔父、祖母、隣人の大人たちの姿を見て、


「大人になんてならない。」

「1センチだって成長しない。」


と誓い、地下室へ通じる階段を転げ落ちます。


奇跡的に命を取り留めたオスカルでしたが、その日から成長することはありませんでした。


オスカルの願いが通じたのです。


はたして、子供の姿のまま成長するオスカルが見る世界とは・・・。


傲慢な父親のアルフレートは、頭ごなしに叱りつけるだけ。しかし、反抗されると弱気になる頼れそうで実は頼れない存在です。


卑屈な母親のアグネスは、オスカルの事故をいつまでもアルフレートのせいにし続け、自分はいとこのヤンと情事を重ねます。自分で自分を貶めていた存在。しかし、オスカルにはたった1人の愛する母親でした。


臆病な叔父のヤンは、アルフレートより先にアグネスと愛し合っていたはずなのに、いつのまにか自分は蚊帳の外に・・・。それでもアグネスを忘れられず情事を重ねます。


初恋の相手マリアは、オスカルにとって「裏切り」の存在だったのでしょう。自分を理解してくれていた、愛してくれていたと思っていたオスカル。しかし、それは子供としてだけ。そのことに気付くオスカルは自ら子供のふりをします。そうすれば、またマリアが優しくなると思ったのでしょうね。


祖母のアンナは、すべての元凶でした。4枚のスカートの中は彼女の欲の塊。すべての物語のはじまり・・・すべての物語のおわり・・・。


オスカルの視点から大人の卑しさが描かれています。


そんな人たちに囲まれたオスカルが大人になりたくないのも判る気がしますが、無邪気な子供たちにも卑しさが満ちていました。


オスカルを理解してくれる存在は同じ病を持つベブラとロスビタだけ。そしてロスビタとは深く愛するようになるのですが・・・。


傲慢。卑屈。臆病。裏切り。大なり小なり、これらの感情は悲しいかな、人が生きるために、大人になるために避けては通れないのかもしれません。オスカルを取り巻く人たちは、皆、苦悩しながら生きています。ナチスが台頭し始めたポーランドで生きている彼らにとっては尚更なのかもしれません。


それでは、大人にならないことを誓ったオスカルの感情は・・・?


私にはオスカルにも傲慢、卑屈、臆病、裏切りの感情が芽生えていたようにみえました。


身体は子供のままでも感情は成長していくオスカル。それでも彼は子供のように振舞います。


子供のままでいれば、母親が助けてくれる。優しくしてくれる。ブリキの太鼓をプレゼントしてくれた母親に。


ブリキの太鼓が「子供=無邪気さ」の象徴だったのでしょうね。


そして、その無邪気さが周りに人たちに不幸をもたらすことも知らずに・・・それとも不幸をもたらすことを知りながら無邪気さを装っていたのでしょうか?


オスカル役のダーヴィット・ベネントが、子供とも大人とも思えない複雑な表情で難しい役を見事に演じています。


ラストでは21歳になるオスカル。それでも身体は子供のまま。


オープニングから語られるオスカルの物語は、そのときのオスカルの心の声が語っていたと思っていましたが、実は、大人になったオスカルが語っていたのかもしれませんね。


ラストでのオスカルの決意。


大人になることへの不安、そして、旅立ちをユニークに描いた作品でした。


ちなみに、グロテスクなシーンがいくつかありますので、飲食しながらの鑑賞にはご注意を・・・牛の頭にはマイッタ(^_^;



★★★★★★☆☆☆☆



Title:

DIE BLECHTROMMEL


Country:

West Germany/France/Poland/Yugoslavia (1979)


Cast:

(Oskar Matzerath)DAVID BENNENT

(Alfred Matzerath)MARIO ADORF

(Agnes Matzerath)ANGELA WINKLER

(Maria Matzerath)KATHARINA THALBACH

(Jan Bronski)DANIEL OLBRYCHSKI

(Anna Koljaiczek (jung))TINA ENGEL

(Anna Koljaiczek)BERTA DREWS

(Bebra)FRITZ HAKL

(Roswitha)MARIELLA OLIVERI


Director:

VOLKER SCHLÖNDORFF


Awards:

Academy Awards, USA 1980

(Oscar(Best Foreign Language Film))


Cannes Film Festival 1979

(Golden Palm)VOLKER SCHLÖNDORFF


Los Angeles Film Critics Association Awards 1980

(LAFCA Award(Best Foreign Film))VOLKER SCHLÖNDORFF



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Comment

傑作ですね

内容ほんとにキツいですけど、異色ではありますけど、間違いなく傑作ですね。
オスカルの視点から描くことによって、激動の時代を巧みに切り取った作品だと思いました。
ダーヴィッド・ベンネントの神憑り的演技は圧巻でしたね。
あはは、確かに牛の頭はびっくらこきました(^-^;
トラバさせてくださいね♪


好きです

ワタシもこの映画は特別に好きですね
みなぎる原初の衝動にあふれていて
正気ではみることができません
劇場で見た時も
何人かは途中で席を立っていました
あれも正しい反応だなあと思いました。
ワタシの映画の嗜好はこの作品で方向付けられたかもしれません^^;


>じゅりさんへ

ダーヴィット・ベネントでなかったら、
この作品は成功していなかったかもしれませんね。

キツイ内容でしたが、
子供の容姿であるオスカルが和らげていたようでした。
・・・逆にそれが怖い場合もありますけどね(^_^;

コメント&TBありがとうございました。


>manimaniさんへ

途中で立ち去ってしまう反応。
判る気がします。

manimaniさんの思い入れが深いというのも
他の作品のレビューから判る気がします。
・・・何となくですけどね(^_^;

コメントありがとうございました。


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ブリキの太鼓

監督:フォルカー・シュレンドルフ 原作者:ギュンター・グラス 脚本:ジャン・クロード・カリエール 音楽:モーリス・ジャール 撮影:イゴール・ルター 出演者:ダーヴィッド・ベンネント 、マリオ・アドルフ 、アンゲラ・ヴィンクラ 、ダニエル・オルブリフスキー 、
プロフィール

Author:ひで
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