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ユリシーズの瞳

Category : 徒然映画

ユリシーズの瞳


Comment:

映画監督の男が幻のフィルムを探す旅に出るロード・ムービー。


その年のカンヌ国際映画祭でパルム・ドールを受賞したエミール・クストリッツァ監督の「アンダーグラウンド」に一歩及ばす、審査員特別グランプリを受賞したテオ・アンゲロプロス監督の「国境三部作」の三作目です。


この2作品が比較されてしまうのも頷けます。


同じ年に公開され、テーマも「ボスニア紛争」を扱い、さらに、上映時間もほぼ同じ3時間という超大作。


異なる点は、「アンダーグラウンド」がユーゴスラビアの人々からの視点であり、「ユリシーズの瞳」はギリシャ人の映画監督Aから視点であることでした。


ギリシャの西に位置する街、フロリナ。35年ぶりに帰郷した映画監督Aは、アテネ映画博物館の委嘱でマナキス兄弟の記録映画を製作することになりました。


1905年、ギリシャ。ギリシャとバルカン半島で撮影した作品がマナキス兄弟の最初の映画とされていましたが、マナキス兄の弟子から現像すらされていない「幻の3巻のフィルム」の存在を知り、Aはフィルムを探す旅に出ます。


まず、Aは撮影現場とされる「雪と沈黙の国、アルバニア」へと国境を越えます。コリツァからモナスティル(現ビトラ)へと旅を続けるAは、モナスティル映画博物館の女性からマナキス兄弟の情報を聞き出そうとしますが・・・。


さすが、テオ・アンゲロプロス監督作品だけのことはあります。超が付くほどの長回しによるシーンの連続に片言のセリフ。気合いを入れないと睡魔に襲われます(^_^;


でも、それが「雪と沈黙の国、アルバニア」を表現する上で良い効果を発揮していました。


また、ストーリーも複雑です。


現在のA。

過去のA。

マナキス兄弟が憑依したかのようなA。


姿はAのままなのに、ストーリーが現在と過去を行き来していくので、話を整理していくのに困難を極めます。


モナスティルからスコピエ、さらに国境を越えルーマニアのブカレストへの旅は「3人のA」が複雑に絡み合います。


黒海に面した街コンスタンツァでAは、巨大なレーニンの石像を乗せた船に同乗させてもらい、ドナウ川上流を渡ります。


そして、ついに新ユーゴの首都ベオグラードで知人のジャーナリストの男と共にベオグラード映画博物館から有力な情報を得て、3巻のフィルムを現在所有しているという男イヴォ・レヴィがいる戦乱のサラエボへとAはサラエボに帰りたい女性と共に国境を越えるのですが・・・。


映画監督A役にはハーヴェイ・カイテル。特に好んで観ているわけではないのですが、なぜかレビューしたい作品に出演していることが多い彼。もう何本、彼の出演作品をレビューしたのか判りませんね。アクション、バイオレンスからハートフルなドラマまでどんな役でもこなしてしまう役者です。でも、やっぱり今回も全裸になりますが・・・(^_^;


Aと出会う女性役のマヤ・モルゲンステルンは、モナスティル映画博物館の女性、サラエボに帰りたい女性、イヴォ・レヴィの娘ナオミの1人3役をこなしています。同一人物が演じているとは思えないほどの変わりようです。服装やメイクだけでなく性格まで異なる女性をまさに演じています。


ラスト。


サラエボに着いたAはイヴォと娘のナオミら家族と出会いますが・・・。


濃い霧の間だけ平和が訪れるサラエボ。でも、それは偽りの平和でした。


衝撃的な現実がAを待ち受けています。


ラストシーン後のAはマナキス兄弟の記録映画を製作したのでしょうか。もしかしたら、映画監督Aとはテオ・アンゲロプロス監督自身を投影した架空の人物であり、Aの製作したマナキス兄弟の記録映画がこの「ユリシーズの瞳」なのかもしれませんね。


マナキス兄弟の事跡を追う叙事詩の中に映画監督A個人の抒情詩を含ませた壮大な作品でした。



★★★★★★★★



Title:

VLEMMA TOU ODYSSEA, TO


Country:

Germany/UK/Greece/France/Italy (1995)


Cast:

(A)HARVEY KEITEL

(Ivo Levi)ERLAND JOSEPHSON

('Ulysses' wife and other female roles)MAIA MORGENSTERN

(Taxi driver)THANASIS VENGOS

(Friend and Journalist)YORGOS MICHALAKOPOULOS

(Old Woman)DORA VOLANAKI


Director:

THEODOROS ANGELOPOULOS


Awards:

Cannes Film Festival 1995

(FIPRESCI Prize)THEODOROS ANGELOPOULOS

(Grand Prize of the Jury)THEODOROS ANGELOPOULOS



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