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ヒトラーの贋札

Category : 徒然映画

ヒトラーの贋札


Comment:

ナチスに捕らわれたユダヤ系技術者たちの葛藤を描いた物語。


ナチスによるユダヤ人迫害を題材にした作品は残酷極まりないシーンの連続ですが、この作品は一風変わっていました。


1936年、ベルリン。「サリー」ことサロモン・ソロヴィッチは国際的な贋造技師。身分証明書や旅券、さらには紙幣まで精巧に贋造できる男でした。


しかし、犯罪捜査局贋造紙幣課ヘルツォークによって逮捕。ユダヤ人であったソロヴィッチは強制収容所へと送られてしまいます。


1939年、マウトハウゼンの強制収容所。過酷な労働と不衛生な環境。動けないものは容赦なく射殺されてしまいます。


ある日の夜。囚人班長が持つ紙を盗み、絵を描くソロヴィッチ。翌日、その絵をドイツ兵が見つけてしまいます。しかし、その絵の素晴らしさにドイツ兵は自分をモデルにして書くように命令するのです。そして、さらに隊長まで家族を連れてモデルとなり、ソロヴィッチに絵を描かせます。


そして、5年後。


ソロヴィッチは、生きるためにどんな注文にも応え、その度に他の囚人とは異なる食事をとることができました。しかし、突然、別の収容所への移送が決まります。ユダヤ人であるソロヴィッチに「いい気になるな。」と罵る隊長。「移送=死」を覚悟するソロヴィッチでしたが・・・。


ソロヴィッチの人生を追う物語でしたが、なぜか悲愴感を感じませんでした。それは、ソロヴィッチが絶望を感じていなかったからでしょうね。


ソロヴィッチはとにかく「生き抜く」ことを信条としていました。


ソロヴィッチの移送先はザクセンハウゼン収容所。そこにいる親衛隊の隊長はソロヴィッチを逮捕したヘルツォークでした。ヘルツォークの指示のもと集めらたユダヤ系の男たち。彼らは印刷業の技師でした。


「ベルンハルト作戦」


それは、大量の贋札を製造し流通することで、世界経済の混乱を目的とした恐るべき計画でした。ザクセンハウゼン収容所の一画は贋札を製造するための施設として動き始めます。


そこで働くユダヤ系技師たちは、他のユダヤ人たちと異なり、柔らかいベッド、音楽、さらに、石鹸と水までも自由に使える清潔な環境でした。しかし、木材で隔てた壁の向こう側には同じユダヤ人が過酷な労働を強いられて暮らしています。それらの音を聞きまいと彼らは窓を閉め切りにします。


ソロヴィッチはここでも「生き抜く」ことを信条とし贋札造りに没頭します。


しかし、印刷技師のブルガーはソロヴィッチの考えと相反するものでした。「贋札に成功したら、ますますナチスが猛威をふるい、最後には皆殺されてしまう。贋札を成功させてはいけない。」というものでした。


ブルガーにはユダヤ人としての「誇り」がありました。


その結果、贋札がなかなか完成しないことに腹を立てたヘルツォークは、今後、完成しなかったら、4週間ごとにお前たちの中から5人ずつ銃殺すると宣告します。


贋札造りを成功させることはナチスに協力すること・・・ユダヤ人としての誇りは・・・?

生きたい・・・しかし成功させなければ自分たちが殺されてしまう・・・。


技師たちはそれぞれに悩み葛藤します。


私が彼らの立場だったら・・・ツィリンスキーたちのように感情を顕わにしてしまいそうです(T_T)


しかし、ソロヴィッチは違いましたね。「生き抜く」というのは「自分だけではなく皆と共に」ということに、ブルガーとは異なる彼なりの「誇り」が伝わってきました。


ソロヴィッチの考え方は、捕まる前の裏稼業(マフィア=家族のような)の環境がそうさせていたのかもしれませんね。


ラスト。


終戦後のソロヴィッチ。あれは贋札なのでしょうか。


まるで、「お前たちの死は無駄ではない。」と死んでいった仲間たちを弔うように使っているようでした。



★★★★★★☆☆☆



Title:

FALSCHER, DIE


Country:

Austria/Germany (2007)


Cast:

(Salomon 'Sally' Sorowitsch)KARL MARKOVICS

(Adolf Burger)AUGUST DIEHL

(Sturmbannfuhrer Friedrich Herzog)DEVID STRIESOW

(Hauptscharfuhrer Holst)MARTIN BRAMBACH

(Dr. Klinger)AUGUST ZIRNER

(Atze)VEIT STUBNER

(Kolya Karloff)SEBASTIAN URZENDOWSKY

(Zilinski)ANDREAS SCHMIDT

(Loszek)LENN KUDRJAWIZKI

(Girl in Casino)DOLORES CHAPLIN

(Aglaia)MARIE BaUMER


Director:

STEFAN RUZOWITZKY


Awards:

Academy Awards, USA 2008

(Oscar(Best Foreign Language Film of the Year))



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Comment

思ってたよりも

ダニエルが悪人だと思わなかったりしました(^^ゞ
あの息子に対しても、もっと酷いことをするのかな、と思ってたけど、一応そういう施設に預けたわけで、徹底的に酷い人非人でもなかったのかな、と(^^ゞ
でも、あのラストはね~・・・悪人でしたね、やっぱり(^^ゞ

ポール・ダノのあの狂気の演技が忘れられず
彼も素晴らしい役者さんなんだなぁ、と改めて重いました。
ダニエル・デイ=ルイスは勿論素晴らしい!という演技(というか、もうその人になりきってしまってる、と感じました)でしたが、ポール・ダノがここまですごいとは・・と認識を新たにしました。
これからの彼も楽しみです♪


すいませ~ん(^^;;)

↑このコメント、そのまま「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」へのコメントです~(^^;;)
大変申し訳ありません(^^;;)
ここのコメント記入欄を出して、記事は「ゼア・・」の方を読みながら書いてました~(^^;;)
大変申し訳ありませんm(_ _)mm(_ _)mm(_ _)m
改めまして、これから「ヒトラーの贋札」のコメント書きます~(^^ゞ
大ドジな私で、本当に申し訳ないです。


改めまして(^^ゞ

ヒトラーの贋札のコメントをば(^^ゞ

人間、極限状態になったときにどういう選択をするかって、自分がそういう状態になったことないので、言い切れるものではありませんが、やっぱり命が助かるほうへ行くと思います。
一日でも、一分でも一秒でも長く生きていたいと
思ってしまうだろうなぁ、って。

なかなか雰囲気も良く、同時ノミネートされてた”モンゴル”も見ましたが、映画的にみたら、こちらの方がオスカーを取ったのがわかるなぁ、と思いました。


>メルさんへ

では、まず「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」から。

表立って酷いことはしなかったので良かったですね。
でも、結局、道具としてしか見ていなかったのかなぁ・・・。

ポール・ダノは良かったですねぇ。
今後が本当に楽しみな役者です。

次に、「ヒトラーの贋札」。

そうですよね。あのような極限の状態なんて
体験したことはありませんからね。
また、体験したくもないですし・・・。

生きたい者。そうでない者。
自分だけ生きたい者。皆と生きたい者。

あの製造所のユダヤ人たちは、
同じ局面にいながら、
それぞれ考え方が違っていたことが興味深かったです。

「モンゴル」も観られたのですね。
どんな作品なんだろう・・・チェックしてみます。


こんばんは

このような映画を観ると、戦時下において、ルール違反なんてものはどこにもないんだなとつくづく思います。
生き抜くのか、正義を貫くのか。でも自分ひとり正義を重んじたところで、次の誰かがいる。
本当に、想像を絶する精神状態でしょうね。
サリーのことも他の誰のことも責めることはできません。極限の状況での選択でどちらが正しいのかを、私たちが判断できるものではないですもね。
平和な日本に生まれて良かった~。


>saryaさんへ

そうですね。
あの極限状態の中では誰も責めることなどできませんよね。
それぞれ判断したことが
その人にとっての決死の決断であるはずだから。

・・・私も日本に生まれて(しかもこの時代に)幸せです(^_^;


こんにちは

ソロヴィッチが裏家業をやっていた時は、
「同胞がなんだ、他人は関係ない」と、
人の事など考えない冷たい人間でしたよ。
それが、「皆と共に」に変わったのは、
人は誰でも状況によって、善良・邪悪の部分が
出てくるという事なんだと、思いました。
あのドイツ人のヘルツォークも同じじゃないでしょうか。

どの人の判断も少しずつ共感するんですよね。
私も、何が正しいとは言えないと思いました。


>YANさんへ

あんな極限状態の中、
何が正しくて何が悪いのかなんて
判りませんからね。

観ている私たちでさえそうなのですから。

かといって、あの状況の中に
加わりたいとは思いませんけどね(^_^;


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ヒトラーの贋札

ヒトラーの贋札 ¥2,952 ドイツ/オーストリア 2007年 カール・マルコヴィクス、アウグスト・ディール、デーヴィト・シュトリーゾフ、マリー・ボイマー、ドロレス・チャップリン、アウグスト・ツィルナー、マルティン・ブラムバ 監督・脚本:ステファン・

「ヒトラーの贋札」

ヒトラーの贋札東宝このアイテムの詳細を見る 第二次世界大戦中、ナチスはイギリスの経済を混乱に陥れるため精巧な贋ポンド札の 製造を計画する。この“ベルンハルト作戦”のため、ザクセンハウゼン強制収容所には、 世界的贋作師サリー(カール・マルコヴィクス)、印刷技師
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