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ゼア・ウィル・ビー・ブラッド

Category : 徒然映画

ゼア・ウィル・ビー・ブラッド


Comment:

巨万の富を得ようとする石油屋の男の半生を描いた物語。


ダニエル・デイ=ルイスがこの年の賞を総ナメにした大作です。


1900年初頭。石油を掘り当てて成功者となろうする男たち。ダニエル・プレインビューもそんな採掘者の1人でした。ダニエルは幼い息子H・Wを連れて、地主たちから土地を買い占め、その土地の下に眠る石油の海を自分のものにしようと目論みます。


ある夜。ポール・サンデーと名乗る青年がダニエルのもとに訪れます。ポールは自分の家族が営む牧場の下には石油があることを伝え、場所を教える代わりに情報料を要求します。


半信半疑のダニエルでしたが、交渉術に長けているダニエルは500ドルの現金をちらつかせて、場所を聞き出します。


サンデー牧場にやって来たダニエルとH・Wは、ウズラ猟をしに来たと偽りサンデー一家に近づきます。


頼りない父エイベルに代わり、息子のイーライはダニエルに対して不信感を募らせます。


ポールとイーライは双子でした。兄のポールは家を飛び出したきり帰って来ない怠け者。弟のイーライは「第3の啓示教会」の狂信的な神父でした。


イーライはダニエルが石油目当てで来たことを見抜き、教会に5000ドル寄付することで土地を売ることを承諾しますが・・・。


何もない荒野。荒れ果てた土地に眠る石油は、そこに生きる人たちにとっても暮らしていくための財産になりうるものでした。しかし、ダニエルはその石油を自分だけのものにしようと画策します。


ストーリーは静かに進みます。音楽も極力抑えています。しかし、ダニエルの心には石油に火を点けたときの燃え上がる炎ような野心が隠れていました。


その野心は、人を妬み、人の成功を快く思えなくさせ、そして、人を信じようとはしないダニエルを形成していました。


ダニエル役にはダニエル・デイ=ルイス。熱演でしたね。彼の良さは、他の作品も観ないと判らないのではないでしょうか。作品によって、容姿や性格、雰囲気をガラリと変えて演じています。「眺めのいい部屋」、「マイ・レフトフット」、そして、この作品の3作品を観ただけでも本当に同一人物なのかとを疑ってしまうほどです。


ダニエルは決して善人ではありません。息子H・Wを交渉するための道具として利用し、子供を連れて仕事をしている良き父親像を演出します。耳が聴こえなくなったH・Wに対するダニエルの決断には腹が立ちましたね。ダニエルの決断のきっかけとなってしまったH・Wが火を放つ理由が、明確にはなっていませんでしたが、おそらく、自分の秘密をヘンリーの日記を見て知ってしまい、ダニエルに反抗するようになったのでしょうね・・・多分(^_^;


H・W役のディロン・フレイジャーが良い表情をみせます。今後、出演する作品によっては、大化けするかもしれませんね。


一方、ダニエルとは間逆の人物かと思われたイーライでしたが、彼も結局はお金だったのかなぁ。なぜ彼があれほどまでに狂信的な宗教家になってしまったのか。それが描かれていれば、彼の人となりも少しは理解できたかもしれませんね。


イーライ役にはポール・ダノ。ダニエル・デイ=ルイスに負けないくらいの存在感がありました。「リトル・ミス・サンシャイン」とはまた違う強烈な個性を持つ役を演じています。彼は出演する作品に恵まれていますね。それも、しっかりとした演技力があるからなのでしょう。


監督はポール・トーマス・アンダーソン。ロバート・アルトマン監督から遺作となった「今宵、フィッツジェラルド劇場で」で、もしものときの監督代理として指名された監督だけあって、多勢のキャスト、長回しといったロバート・アルトマン監督の撮影手法が垣間見えます。この作品をアルトマン監督に捧げているあたりに、いかに、監督を敬愛していたのかが窺い知れます。


ラスト。ダニエルは結局、誰も、H・Wすらも信用できず、唯一、自分がひれ伏されてしまったイーライに対しては、情け容赦無い制裁を加えます。


ラストのセリフは、これで自分だけがたった1人の成功者であると宣言したのと同時に、やり残したことは何もない野心家から無気力な人間へのなれの果てを見ているかのようでした。


彼はいったい何のために生きていたのでしょうね。まったく共感すら覚えないダニエルでしたが、その反面、人生をまともに生きれなかった可哀想な男だとも思ってしまいました。



★★★★★★★★☆☆



Title:

THERE WILL BE BLOOD


Country:

USA (2007)


Cast:

(Daniel Plainview)DANIEL DAY-LEWIS

(Paul Sunday/Eli Sunday)PAUL DANO

(Henry)KEVIN J. O'CONNOR

(Fletcher)CIARAN HINDS

(Young H.W. Plainview)DILLON FREASIER

(Young Mary Sunday)SYDNEY McCALLISTER

(Abel Sunday)DAVID WILLIS

(H.M. Tilford)DAVID WARSHOFSKY

(Mr. Bandy)HANS HOWES


Director:

PAUL THOMAS ANDERSON


Awards:

Academy Awards, USA 2008

(Oscar(Best Achievement in Cinematography))ROBERT ELSWIT

(Oscar(Best Performance by an Actor in a Leading Role))DANIEL DAY-LEWIS


Berlin International Film Festival 2008

(Silver Berlin Bear(Best Director))PAUL THOMAS ANDERSON

(Silver Berlin Bear(Outstanding Artistic Contribution))JONNY GREENWOOD


Golden Globes, USA 2008

(Golden Globe(Best Performance by an Actor in a Motion Picture - Drama))DANIEL DAY-LEWIS


Los Angeles Film Critics Association Awards 2007

(LAFCA Award(Best Actor))DANIEL DAY-LEWIS

(LAFCA Award(Best Director))PAUL THOMAS ANDERSON

(LAFCA Award(Best Picture))

(LAFCA Award(Best Production Design))JACK FISK


National Society of Film Critics Awards, USA 2008

(NSFC Award(Best Actor))DANIEL DAY-LEWIS

(NSFC Award(Best Cinematography))ROBERT ELSWIT

(NSFC Award(Best Director))PAUL THOMAS ANDERSON

(NSFC Award(Best Film))


New York Film Critics Circle Awards 2007

(NYFCC Award(Best Actor))DANIEL DAY-LEWIS

(NYFCC Award(Best Cinematography))ROBERT ELSWIT



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Comment

ダニエル・デイ・ルイス

は出演作の選出にも役作りにもマニアックな取り組み方ですね。私が見たのは割りと昔の作品ばかりで・・・ホモのコインランドリー経営者やプラハの軽薄外科医、マイレフトフットとかお堅いスノッブとかです。あの頃からカメレオンぶりは凄かったけど、最近はこれまたすごいですね。あくの強い男を好んで演じてませんか?


>sarahoctavianさんへ

>あくの強い男を好んで演じてませんか?
同感です。

昔の作品は未見なのですが・・・個性的な役ばかりですね。

「カメレオン」

まさにその表現がピッタリな役者ですね。


こんにちは

ダニエル・デイ=ルイスの熱演は本当にすごかったですね。
野心・妬みなど人間のいやらしい部分を存分に見せてくれました。
子供に対する愛情は、最初のうちは確かにあったと思ったんですけどね~
ひでさんにはそう見えませんでしたか。
子供を抱えて助けるシーンの長回しはすごかったですよね。

ラストの「終わった」は、自分と同じ邪心を持った人間を
(つまり自分のいやらしさを)叩きのめし行き着くところまで行って、
自分の人生も終わったという事とも思いました。
どちらにしても破滅したんですよね。


>YANさんへ

>子供に対する愛情は、最初のうちは確かにあったと思ったんですけどね~
・・・そういえば、石油の掘削事故では
命をはって助けてましたね(^_^;

ラストの見解もなるほどです。
イーライを自分と照らし合わせていたのですね。
・・・そう、どちらにしても破滅でしたけどね。

コメントありがとうございました。


こんばんは♪

コメント、TBありがとうございます(^^)

ダニエルの熱演にすっかり魅了される作品でしたね。
賞レースを総ナメしたのも頷ける、ダーク度たっぷりな男の姿は
ゾクゾクしました。

ポール・ダノも良かったですね~
この2人のバトルが壮絶で、そこまでやりますかって感じでしたね。

いや~凄い映画でした(^^)


>tapomushi12さんへ

ホント、賞レース総ナメしたのも頷ける貫禄の演技でしたね。

ポール・ダノも若いのに素晴らしい演技でしたね。

ラストの2人のバトルは惨かったですね(^_^;

コメント&TBありがとうございました。


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「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」

20世紀初頭。一攫千金を夢見る山師の男ダニエル・プレインヴュー(ダニエル・デイ=ルイス)。 息子H.W.(ディロン・フレイジャー)を連れ歩く彼は、ある日ポールという青年から自分の故郷の 土地に油田があるはずだとの情報を得て、西部の町リトル・ボストンへと向かう。

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