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都会のアリス

Category : 徒然映画

都会のアリス


Comment:

ドイツ人作家の男性と少女とのふれあいを描くロード・ムービー。


ヴィム・ヴェンダース監督の「ロード・ムービー三部作」の一作目です。


アメリカを宛てもなく旅するドイツ人作家フィルことフィリップ・ウィンター。フィルはペンを走らせるのではなく、感性に任せて風景や人をポラロイド・カメラで撮り続けていました。


今回のフィルの仕事はアメリカの印象を書くこと。


1ヶ月ぶりにニューヨークに戻ると、出版社の人から「ミュンヘンから何度も催促がきている」と怒鳴られてしまいます。ドイツに戻ったら書くとその場をやり過ごし、フィルは飛行機のチケットを買いに出かけます。


しかし、ドイツ便はストライキで全便欠航していました。アムステルダム行ならあると仕方なく購入しようしたときに同じチケットを買いに来た美しい女性と出くわします。その女性は英語が苦手なようで、フィルは通訳してあげます。


その女性リザには、可愛らしい9歳の娘アリスがいました。


と、ここまでがフィルとアリスの出会いになります。フィルの放浪の旅はヌーヴェルヴァーグのテイストを感じさせます。


随所で出てくるのですが、どうしてフィルが撮った写真には人が写らなかったのでしょうね。何か意味があったのでしょうか。フィル自身は「見たままのものが撮れていない」とだけ語っていますが・・・。


フィルとフィルの友人という女性の会話のシーンも意味深でしたね。この女性が語ったフィルの印象に答えがあるようでした。フィルは自分を見失っていたのでしょう。見るもの聞くものすべてが通り過ぎてしまうため、その証拠となる写真を撮る。それでも見たままのものが撮れていないフィルはそれほど落ち込んでいたということだったのでしょうね。


そんなフィルを頼りにするリザと娘のアリス。


リザが「一緒にいてくれないと不安なの」と言うと

フィルが「楽しい相手じゃないよ」なんて言うところにもネガティブな印象が見受けられます。


そんなフィルにリザが「私たちもよ」と返します。フィルは明日の便のチケットを購入し、ホテルへと連れて行きます。フィルも友人の女性の家に泊まる予定でしたが断られ、リザたちの部屋へ一緒に泊まることになりました。


しかし、翌日。リザはメモを残し1人で部屋を出て行きます。


「1時にエンパイア・ステート・ビルの屋上で」


フィルとアリスはエンパイア・ステート・ビルへと向かいますが、リザは一向に現れません。仕方なくホテルに引き返すとフロントにメモが残されていました。


「男が荒れているから」

「アリスと一緒にアムステルダムに行き」

「明後日まで待ってて」


ここからが、フィルとアリスの二人旅になります。ヌーヴェルヴァーグらしさは無くなり、ここから本格的なロード・ムービーへと展開していきます。


それにしても、アリスの大人のような受け答えにはビックリでしたね(^_^;


時折、フィルのほうが子供なのでは?と思ってしまうほどです。でも少女であることには変わりないアリス。いくら待ってもリザが帰って来ません。


トイレで泣き続けるアリスを介抱するフィルは、祖母がいるというブッパータールまで付き合うことになるのですが・・・。


フィル役にはリュディガー・フォグラー。穿いていたズボンが洒落ています。なんだか足が長く見えました。羨ましい・・・(^_^;


アリス役にはイエラ・ロットレンダー。彼女は「緋文字」にも重要な役で出演していましたね。で、調べてみたらリュディガー・フォグラーも「ゴールキーパーの不安」、「緋文字」とヴィム・ヴェンダース監督作品に立て続けに出演していました。ぜんぜん気付かなかった・・・(T_T)


リュディガー・フォグラーは、この後のヴィム・ヴェンダース監督作品にも多数出演しているそうです。


ラスト。フィルとアリスの「父と娘」でもなく、「恋人」とも違う不思議な関係。女性の家に泊まるシーンでは明らかにアリスは嫉妬していたように見えましたが・・・。


また、明らかにフィルは前半とは雰囲気が変わりましたね。2人で証明写真を撮るシーンでのあの笑顔は前半のシーンではありませんね。でも、フェリーで自ら撮ったアリスの写真には、アリスが写っていなかったと2人を探していた刑事が言っていました・・・。


アリスとの別れが近付いていることを知ったフィルの気持ちがそのまま写っていたということでしょうか。


フィルは今後のことをアリスに語りましたが、アリスは何も語りませんでした・・・。


フィルの後を追いかけてミュンヘンまで行ってしまうのか。

それとも、思い出として胸に閉まっておくのか。


まぁ、少女なので前者はありえないでしょうが、そう思ってしまうほどの2人の親密な関係でした。


あっ、あと個人的に好きなシーンは、2人が喫茶店で休憩しているシーンで、ジュークボックスの隣りでリズムを取っている少年がカッコ良かったなぁと・・・ストーリーとぜんぜん関係ありませんけどね(^_^;



★★★★★★★☆☆



Title:

ALICE IN DEN STADTEN


Country:

West Germany(1974)


Cast:

(Phil Winter)RUDIGER VOGLER

(Alice)YELLA ROTTLANDER

(Alice's Mother)LISA KREUZER

(Friend in New York)EDDA KOCHL

(Publisher)ERNEST BOEHM

(Car Dealer)SAM PRESTI

(Airport Hostess)LOIS MORAN

(Friend in Frankfurt)DIDI PETRIKAT

(Police Officer)HANS HIRSCHMULLER

(The Woman)SIBYLLE BAIER


Director:

WIM WENDERS



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Comment

こんばんは!

私にとっては、これも感想を書くのが実に難しい作品でした…(T_T)

フィルを通して描かれるアメリカの空虚さと、反面チャック・ベリーの
ライヴ映像を使うなど随所に見受けられるアメリカへの愛情。
アメリカに対するヴェンダースの複雑な感情が透けて見えるようで、
実に興味深い作品でした。


こんばんは

ワタシこの映画非常に好きです。

『緋文字』撮影中にリュディガーとイェラがいっしょにいるところを見てヴェンダースは『都会のアリス』に二人を起用したそうですよ。

この映画とそっくりな設定で同じ年に『ペーパー・ムーン』が製作されていますが、ヴェンダースはそれを知って愕然とし、この企画を没にしようとしたとも聞いてます。実現してくれてよかった~

リュディガーは『さすらい』でも良い味出してますが、やはりヴェンダースの『ファラウェイ・ソー・クロース』でのリュディガーは・・・目を疑います(笑)

ながなが失礼しました~


>馬面冠者さんへ

いきなりライブに行くフィルに(しかもロック)
今までのフィルの人物像とは
何だか違うよなぁと思っていたら・・・。
ヴェンダース監督の趣味なんですかね(^_^;

ヴェンダース監督はアメリカとドイツを
どのように捉えているのでしょうね。

今まで私が観てきた作品は
どちらかというとドイツよりの作品が多かったので
これから、アメリカを舞台にした作品を
観ていくことで判ってくるのでしょうか・・・。

何だか楽しみになってきました(^-^)


>manimaniさんへ

へぇ~。さすがmanimaniさん。
貴重な情報をありがとうございます。

だったら「緋文字」を気に入っていない
ヴィンダース監督にとっても
得るものが多かったのですね。

そうそう「ファラウェイ・ソー・クロース!」にも
出演していたそうですね・・・しかも同じ役で・・・。

先に「都会のアリス」を観ておくべきでした(T_T)


はじめまして

はじめまして。初期ヴェンダースファンの夫のお薦めでみました「都会のアリス」。あの年齢のドイツ人が郷愁を感じる風景だと思いました。アリスがおばあちゃんの家をようやく発見するシーン、この間ルール地方に行った時に甦りました。こんなところだったわねぇ・・って。


>sarahoctavianさんへ

はじめまして。コメントありがとうございます(^-^)
まだ少ししか観ていませんが、
それでもヴェンダース作品は明らかに作風が変わっているのが判ります。
初期がファンというのも何となく判るような・・・。

あの穏やかな町並みは素敵でしたねぇ。
劇中で2人の会話で維持が大変だと言っていましたが、
その後はどうなってしまったのでしょうね。

あと、その前のブッパータールの街を一周する
モノレールにも乗ってみたいですね(^-^)

また、遊びに来てくださいね(^-^)


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