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コード:アンノウン

Category : 徒然映画

コード:アンノウン


Comment:

1組のカップルと3組の家族の群像を描いたドラマ。


ミヒャエル・ハネケ監督の作品です。この作品から主な製作地域がフランスへ移りました。


この作品で伝えようとしているテーマは「想いを伝えることの難しさ」なのでしょう。


「言葉」は伝えることができますが、その言葉に含まれた感情を読み取らせる、または、聞き手が読み取ることは難しい。


そのことをまずオープニングでは聾唖の少女が手話とジェスチャーによる連想ゲームで表現していたのでしょうね。


「手話」や「ジェスチャー」で伝えることが難しければ、健常者による「言葉」だったら・・・。


そして、本編が始まります。


パリのとある街の通りに主人公となる登場人物たちが接触します。


まずは、女優のアンヌ。カメラマンのジョルジュと同棲中ですが、ジョルジュはコソボへ取材中。そこにジョルジュの弟ジャンがやって来ます。


ジャンは父の農場を継ぐのが嫌になり家出して来たのです。このジャンとジャンの父との想い・・・これが1つ目のエピソードになります。


アンヌは仕事へ行く途中でしたので、ジャンに家で待つようにと家の鍵を渡し、暗証番号を教えます。


ジャンは家へ行く途中、手にしていたパンの袋を通りに座っていた物乞いの女性に投げつけます。


それをを見ていた黒人青年アマドゥは、ジャンに謝罪するように求めるのですが・・・。真面目な青年アマドゥでしたが黒人であるために不当な扱いをされてしまいます・・・アマドゥとアマドゥの家族が2つ目のエピソードになります。


物乞いの女性マリアは、ジャンとアマドゥのやり取りを避けるように逃げ出そうとしますが・・・。密入国していたマリア・・・マリアとマリアの家族が3つ目のエピソードになります。


そして、アンヌとジョルジュのカップルがメインとなり、それぞれのエピソードが交錯していくのですが・・・。


ここで注目すべきは想いの伝え方や受け取り方です。


ジャンの父は、ジャンに農場を継いでもらいたいためにバイクをプレゼントします。ジャンはもちろん喜びますが・・・。


アマドゥの母は黒人というだけで白人から不当な扱いを受ける境遇を憎み、病に侵され宗教にのめり込んでいるようですが・・・。


マリアは強制送還され、母国へと帰国すると、大家族が待っていました。娘の結婚式にも出席し見た目には幸せそうですが・・・。


ジャンの父やマリアは家族と真正面から向き合おうとはしないようでしたね。ジャンの父は物で伝え、マリアは自分の想いを伝えず周りに流されているようでした。


アマドゥの家族たちは、不当な扱いを受けてもそれを正す術がありませんでした。白人の少女に苛められて泣いて帰ってくる弟。何をしても無駄と投げやりな態度を示す長女。


彼らは「言葉」を使いません。「言葉」は無意味なのでしょうか。「想い」はどのようにすれば届くのでしょうか。


アマドゥは「ある決断」をします。そこに答えがあるのでしょうか。


そして、アンヌとジョルジュ。彼らは「想い」を伝えるプロでした。女優であるアンヌは映画の撮影中でした。演じる役の恐怖が伝わってきます。ジョルジュはカメラマンですが、撮影した写真に自らの声でナレーションを付けて観ている者に写真に対する想いを伝えています。


しかし、彼らも自分自身の想いを伝えることはできませんでした。


どこからか聞こえる子供の叫び声。

玄関のドアの下に置かれた謎のメモ。

そして、ジャンとジャンの父の問題。


アンヌの周りにさまざまな問題が降りかかりますが、ジョルジュは実弟や実父であるジャンとジャンの父のことも他人事のように何も答えを出しません。


アンヌはジョルジュの愛に疑問を抱きますが・・・。


人と人とのコミュニケーションって難しいですよねぇ。個人的には、自分自身で何かしら行動しなければ、相手に「想い」は伝わらないのではないでしょうか。


何もしなくても「想い」が伝わると思っている人・・・マリアは心の不安を誰にも話せませんでした。


何かしてくれた相手に「ありがとう」の一言が言えない人・・・ジャンは父からバイクをもらって感謝したのでしょうか?


話しかけているのに返事もせず無視する人・・・アマドゥが状況を説明しようとしているのに、なぜ周りの人たちは耳を傾けなかったのでしょうか?


人種、貧困、家族・・・さまざまな問題があるにせよ、「話す」、「聞く」・・・すべての人たちがその行動さえできていれば、この作品に登場した家族たちは今より良い方向に向かっていたのではと思いました。


しかし、この作品の監督はミヒャエル・ハネケ監督でした。いつ起きるか判らない衝撃のシーン・・・それは、ラストにやって来ました。


聾唖の少年少女たちが刻む太鼓のリズムが鳴り響いながらラストシーンが始まります。


アンヌの心情からしてみれば、当然の行動なのかもしれません。


もし、彼らが尾行していたら・・・。あんな人通りが激しい通りに面する家に侵入することなどありえないと思うのですが、アンヌにそのような考えはなかったのでしょうね。


アンヌ役のジュリエット・ビノシュが難しい感情の表現を見事に演じています。


そこへ帰って来たジョルジュは不信感を抱きます。


ここが面白いところなのですが、今まで散々話さなければ想いは伝わらないと述べてきたはずなのに、ジョルジュにアンヌの危険信号が伝わっているような・・・でも伝わっていないようにも見て取れたり・・・。


ミヒャエル・ハネケ監督は長編デビュー作からの三部作となる「感情の氷河化」で「コミュニケーションの不可用性」を伝えています。


「人は会話する、だが伝わらない。」

「近くなればなるほど話さない。」


アンヌはジョルジュと電話で話さない代わりに「感情の氷河化」をあのような行動で表現したのかもしれませんね。


そして、ジャンは、マリアは、アマドゥは・・・。


原題のサブタイトルは「いくつかの旅の未完の物語」・・・。


監督が前作「カフカの「城」」で得た「未完」というキーワードと「感情の氷河化」が融合したこの作品に解読するコードはないのかもしれませんね。


もしかしたら、ラストに登場する聾唖の少女の手話とジェスチャーにコードが隠されているのでしょうか・・・。


ご存じの方がいましたら教えて頂けると嬉しいです。



★★★★★★★☆☆



Title:

CODE INCONNU: RÉCIT INCOMPLET DE DIVERS VOYAGES


Country:

France/Germany/Romania (2000)


Cast:

(Anne Laurent)JULIETTE BINOCHE

(Georges)THIERRY NEUVIC

(The Farmer)JOSEF BIERBICHLER

(Jean)ALEXANDRE HAMIDI

(Amadou)ONA LU YENKE

(Aminate)MAIMOUNA HÉLÈNE DIARRA

(Maria)LUMINITA GHEORGHIU

(Irina)CRENGUTA HARITON

(The Young Arab)WALID AFKIR

(The Old Arab)MAURICE BÉNICHOU


Director:

MICHAEL HANEKE


Awards:

Cannes Film Festival 2000

(Prize of the Ecumenical Jury)MICHAEL HANEKE



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