フェリックスとローラ
Comment:
移動式遊園地で働く男が謎の女に恋する純愛ラブ・ストーリー。
純粋に愛する不器用な男性とミステリアスな女性・・・パトリス・ルコント監督お得意のラブ・ストーリーです。監督の作品は男性からの視点で描かれるラブ・ストーリーが多いですよね。さらに、男性がリードするのではなく女性がリードすることも多い気がします。
・・・恋愛に関しては、男性より女性のほうが一枚も二枚も上ってことですかね。監督の作品に登場するほとんどの男性たちは女性たちに弄ばれてしまいます。
しかし、それがまた良かったりもするのですが・・・(^_^;
もちろん、男性が女性にのめり込んでしまう理由には、女性にもそれだけの魅力があるから・・・少し影を落とし、謎めいた存在にみせる女性たちのテクニック!?に男性たちは引き寄せられてしまいます。
この作品の主人公であるフェリックスとヒロインであるローラはその典型的なタイプかもしれませんね。
ただ、この作品ではローラの謎めいた部分が露骨に表現されている点が他の作品と異なります。
舞台は転々とする移動式遊園地。
バンパー・カー担当のフェリックスは、皆からも慕われる誠実な男でした。
ある日のこと。券売所からバンパー・カーで遊ぶ客たちを見ていると、1人の美しい女性に釘付けになりました。どうやら、1人で遊んでいるようです。
休憩中にビールを飲みに行くと、またあの女性が・・・一目惚れしてしまったフェリックスはその女性ローラに声をかけるのですが・・・。
ローラは一切過去を語りません。
ローラを見つめる怪しい男の存在に気付きながらも、信じて愛するフェリックス。
はたして、ローラの過去は・・・。そして、2人の恋の行方は・・・。
フェリックスはいい奴だなぁ。いかつい顔ですが、根は純真。愛する人を幸せにするタイプですね。周りの人たちからも信頼されるのが判ります。
ローラは掴み所のないタイプです。フェリックスを含め、遊園地で働く人たちがいい人ばかりだったので、ローラにも居場所がありましたが、正直、近くにいると疲れるタイプかも(^_^;
ローラは悲しい女性でしたね。
不幸ではなく悲しい。
同情を引くタイプ。
注目してほしい。
私に気付いてほしい。
少なからず人にはそういった部分を持ち合わせているのかも。でも、ローラにはその部分が多過ぎた結果、「歪んだ自意識過剰」になっていたのかもしれませんね。
フェリックスは、その歪みを矯正するのではなく、一緒に歪んでくれていたようでした。
フェリックス役にはフィリップ・トレトン。この作品の後に出演した「灯台守の恋」でも抜群の演技と存在感を魅せています。
ローラ役にはシャルロット・ゲンズブール。濃いアイライン?マスカラ?のメイクがローラのイメージにピッタリでした。
ラスト。
そう来たかぁ。パトリス・ルコント監督の演出にまんまと騙されてしまいました。でも、これは誰だって騙されてしまうのでは・・・ちょっと卑怯かなぁ(^_^;
まぁ、ローラの謎は明かされるので、一応スッキリはしますけどね。
観終わった後、恋人同士でフェリックスとローラについて語り合える・・・そんな作品でした。
★★★★★★★☆☆☆
Title:
FÉLIX ET LOLA
Country:
France (2001)
Cast:
(Lola)CHARLOTTE GAINSBOURG
(Félix)PHILIPPE TORRETON
(The singer)ALAIN BASHUNG
Director:
PATRICE LECONTE
