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華氏451

Category : 徒然映画

華氏451


Comment:

消防士の心の葛藤を描いたSF映画。


まさか、フランソワ・トリュフォー監督がSF映画を製作していたとは・・・驚きです。でも、テーマが「本」であり、ストーリーを人間の心理に重点を置いたことによって、監督らしい繊細な作品に仕上がっています。


まぁ、それでもSF映画であることには変わりありませんけどね(^_^;


制作国も資金難からイギリスとなり、所謂、「ヌーヴェルヴァーグ」作品とは一線を画している異色作になりましたね。


すべてが機械化された近未来。人間は何も考えず、モニターに映ることを信じ従うことで平和に暮せる時代となり、人間に思想を与えてしまう「本」や「活字」は「悪しきもの」として焼き払われていました。


その職務は、本が自然発火する温度から命名された組織「華氏451」に所属する「消防士」たちの任務でした。


その消防士の中でも優秀でリーダーからも期待されている男モンターグは、モノレールの中で妻リンダに瓜二つの女性クラリスと出会います。


モニターだけを信じ、心が無くなってしまったリンダに対し、クラリスは自分の意思を持った女性でした。


クラリスに好意を抱き始めるモンターグは、「本が無くなると人は不幸になる」と告白したクラリスが気にかかり、次第に自分も本を読むようになってしまうのですが・・・。


「消防士」たちが本を隠している者の家から本を探し出し、山積みにした大量の本を火焔放射器で焼却するシーンに心が痛みます。


本が焼かれるところを見ると、何だか悲しくなりますよね。


実際に本が焼かれるのを目にしたことなんてないような気がします。


この時代の「消防士」は火を消さず、火を点けることが任務でした。「消防士」を英語にすると「Fireman」なので、あながち間違ってはいないというのが何とも・・・。


初めは自分の仕事を誇りに感じ、出世を夢見たモンターグでしたが、クラリスとの出会いによって次第に心が揺れ動きます。現場から「本」を盗み、家で隠れて「本」を読むモンターグ。リンダはモンターグの言動に不信感を抱き始めます。


このリンダやリンダの友人がこの時代の一般的な人間たちなのでしょうね。モンターグは本を読んでいることを告白し、彼女らの前で本を朗読し始めます。


すると、その中の1人の女性が泣き始めてしまいます。本の世界に心が動かされたのです。本の力を再確認したモンターグはさらに多くの本を読み漁るのですが・・・。


モンターグ役にはオスカー・ウェルナー。トリュフォー監督の「突然炎のごとく」にも出演しています。仲が良いかと思いきや、この作品では、いろいろと確執があったようです。


リンダ役とクラリス役にはジュリー・クリスティが1人2役に挑戦しています。やっぱり美しいですねぇ。今でも現役として、しかも第一線で活躍している大女優ですね。


ラスト。


「華氏451」に密告するリンダ。はたして、モンターグの運命は・・・。


SF、さらに、心を持たない人間を題材にしたことで、トリュフォー監督が得意とする繊細な人の心や恋路をほとんど描けていなかったところが残念でしたが、モンターグが「本の人々」のもとへ訪れるシーンからラストシーンまでは幻想的な世界を見事に描いていましたね。


統制された社会は争いごとがなく平和をもたらしますが、かといって個々の主張や思想を消してまで得た平和が、はたして本当の平和と言えるのか・・・。


過去の主義や思想、文化を残し伝えていくことで、反省し、かつ、未来に活かすことでき、人と人とがお互いに切磋琢磨し合いながら、理想の社会に近づけることが本当の平和への道であると教えているようでした。


ちなみに、この作品。現在、リメイクが進行中で、なんと!あのフランク・ダラボン監督がメガホンを取るとか。「ミスト」のような集団心理がテーマでもあるこの作品にとっては打って付けの監督ですね。楽しみな作品になりそうです。



★★★★★★☆☆☆☆



Title:

FAHRENHEIT 451


Country:

UK (1966)


Cast:

(Guy Montag)OSKAR WERNER

(Clarisse / Linda Montag)JULIE CHRISTIE

(The Captain)CYRIL CUSACK

(Fabian / Headmistress)ANTON DIFFRING

(Man with the Apple)JEREMY SPENSER


Director:

FRANÇOIS TRUFFAUT



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