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永遠と一日

Category : 徒然映画

永遠と一日


Comment:

死と向き合う老人と見知らぬ少年との心のふれあいを描いた作品。


生きる意味、愛する意味を深く考えさせられる至極の作品でした。


ギリシャ。人気作家アレクサンドレは、ここ数年、19世紀の未完の詩篇を研究する日々に没頭していました。しかし、3年前から病床に臥し、家政婦ウラニアの介護もあったものの、自分の死期が近いことを悟り、すべてを片付け、翌日病院へと入院する準備を整えます。


向かいの建物に住む見知らぬ人。

愛犬との散歩。

そして、亡き妻アンナへの想い。


日々の暮らしの中でもアレクサンドレは詩として謳い上げます。


このシーンが何となくヴィム・ヴェンダース監督の「ベルリン・天使の詩」に似ています。アレクサンドレ役がブルーノ・ガンツだから尚更ですね。彼の存在感が非常にこの作品のウエイトを占めています。


ギリシャの街と彼だけで本当に絵になりますね。


アレクサンドレは娘カテリーナの家へ向かいます。その途中、アルバニア難民の子供たちが車の窓拭きにやって来て小銭を稼ごうとします。しかし、警官が取り締まりが・・・。逃げる子供たち。その中の1人の少年をアレクサンドレは助けます。少年は何も言わずに笑顔で立ち去ります。


カテリーナと会い、アレクサンドレは愛犬を預かって欲しいと頼みます。翌日、旅に出るからと・・・。しかし、カテリーナは夫が犬嫌いだからと断ってしまいます。そして、アレクサンドレは妻アンナを手紙を渡します。手紙を確認するカテリーナ。そこに、封がない手紙がありました。


その手紙は、アンナからアレクサンドレに宛てた恋文でした。


そして、アレクサンドレは過去へと思いを馳せらせるのです。


現在と過去。この2つの世界が互いに重なり合いながらストーリーは進みます。しかし、なぜか過去のアレクサンドレの姿は現在のままです。過去のシーンはアンナをはじめ、家族や親戚たちが大勢登場します。身にまとう服も白を基調としたものばかり。青い海に白い服。大勢の家族。ギリシャのイメージを彷彿とさせますね。


そこに1人、黒い服のアレクサンドレ。


過去のシーンはアレクサンドレの想像の世界。だから、その姿も現在のままだと思っていたのですが、それは違うのだと後で気付かされました。


彼は、自分を「よそ者」と思っていたから・・・。他の人とは異なる思想や行動をしてしまう。だから、アンナを愛していてもアンナが自分を慕っているのか判らなかったのでしょうね。


しかし、一通の手紙からアンナの一途な思いを知ることになったアレクサンドレ。彼の心の中には、これ以降にもアンナの姿が度々登場することになります。


愛犬を預けるどころか、アンナと暮らした海辺の家を売ることに決めたことを聞かされ、落胆しながら家を出るアレクサンドレ。その帰路に着く途中に、先ほど助けた少年が青年たちに車に強制的に連行されるところを目撃します。後を追うアレクサンドレ。着いた場所は人身売買を行っている廃墟でした。アレクサンドレは、バイヤーたちに紛れて少年を助け出します。


行くところがない少年。
人生に終わりが迫っている老人。


2人の心の交流がはじまります。


ここからのシーンは、映像に注目ですね。


少年を母国に帰らせようと国境にまで連れて行ったアレクサンドレが目にした光景。

少年に詩人について語りながら、次第に移り行く19世紀の世界。

ウラニアの息子の結婚式。

亡くなった仲間を弔う難民の少年たち。

2人で乗ったバスでの幻想の世界。


セリフは極端に少ないのですが、どれも印象に残るシーンばかりです。


監督はギリシャ生まれのテオ・アンゲロプロス。彼の作品の特徴は「長回し」だそうです。確かに、1シーンのカットが非常に長いです。最も印象に残ったのは、アレクサンドレが少年に詩人について語りはじめるシーンでしょうか。川のせせらぎを使って現在から19世紀に移るシーンは長回しの特徴が現れていますね。


アレクサンドレは少年と乗ったバスで見た幻想の世界で19世紀の詩人と出会います。そして、彼に尋ねます。

さらに、売りに出された海辺の家にて、アンナと出会います。そして、彼女に詩人と同じことを尋ねます。


「明日の時の長さは?」と・・・。


2人の答えの真意は明確に語られていません。


自由讃歌を謳い上げた詩人にとって、時の長さなど関係ない。自由に生きよと伝えたかったのかもしれませんね。


そしてアンナは、いつもアレクサンドレのことを想い、自分のもとへ戻って来てくれることを待ち望んでいました。その想いが永遠でもあり、また、一日でもあったのでしょうね。


自由に生きる意味。人を愛し愛される意味を悟ったアレクサンドレの最後の決断。

死を待ち続ける人生ではなく、死を受け入れながら生きる人生。そして、詩人として永遠に生き続ける決意が伝わってきました。



★★★★★★★☆☆



Title:

MIA AIONIOTITA KAI MIA MERA


Country:

Germany/Greece/France/Italy (1998)


Cast:

(Alexandre)BRUNO GANZ

(Anna)ISABELLE RENAULD

(The Poet)FABRIZIO BENTIVOGLIO

(The Child)ACHILEAS SKEVIS

(Anna's Mother)ALEXANDRA LADIKOU

(Alexandre's Mother)DESPINA BEBEDELLI

(Urania)HELENE GERASIMIDOU


Director:

THEODOROS ANGELOPOULOS


Awards:

Cannes Film Festival 1998

(Golden Palm)THEODOROS ANGELOPOULOS

(Prize of the Ecumenical Jury)THEODOROS ANGELOPOULOS



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