キカ
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天真爛漫な女性キカを中心に繰り広げられる愛の顛末。
もう、ここまで来ると何でもアリですね(^_^;
ラブ・ストーリー、サスペンス、サイコ、コメディ。どのジャンルにも当てはまるかと思います。もしかしたら、ペドロ・アルモドバル監督は、この作品で一区切りしたかったのかなぁ。次回作の「私の秘密の花」からは、作品の調子をガラッと変えています。
という意味でも、この作品は今までの集大成的な作品なのかもしれないと勝手に思っています。
メイクアップ・アーティストのキカは、TV番組に出演する作家ニコラスのメイクを担当します。キカはニコラスに一目惚れ。キカはニコラスの連絡先をゲットします。
そしてキカは、ニコラスの家「ユーカリ館」に招かれますが、そこで待っていたのはニコラスとベットに横たわる若い男性でした。
男性の名はラモン。ニコラスの義理の息子で、ラモンの実母の自殺を機にニコラスとは絶縁状態でした。ラモンはキカに息子にメイクを施してくれと頼みます。
何と、ラモンは死んでいたのです。
恐る恐るメイクするキカ。しかし、さらにキカを驚かせる事態が。
ラモンの肌に温かみを感じるキカ。・・・ラモンは生きていたのです。
この突飛な出会いからラモンとキカは付き合い始め、やがて同棲するまでになるのですが・・・。
オープニングはサスペンス調で始まり、その後、キカの登場から従来の監督作品のタッチに変わります。しかし、ラモンと旧知の仲であるアンドレアが登場してからはサイコ。刑務所から逃亡した精力絶倫の服役囚ポール・バッソがキカを襲うシーンはブラックコメディのようです。
アンドレアは元精神分析医で、現在は「今日の最悪事件」というスクープ番組のキャスターなのですが、まぁ彼女の奇抜な衣装ときたら(^_^;
アンドレアの衣装はジャン=ポール・ゴルチエ。フランスの有名ファッションデザイナーですね。アンドレア役のヴィクトリア・アブリルが見事に着こなしています。でも「アタメ」を先に観ていたので、初めはアンドレア役がヴィクトリア・アブリルだとは気付きませんでした。こんなにも印象が変わるものなのですね。
ポール・バッソはキカの家のメイドであるフアナの弟パブロだったのですが、フアナは弟のことをキカに悟られまいとします。それにしても、この姉弟。かなりイッちゃっています(^_^;
フアナ役はやっと見慣れてきたロッシ・デ・パルマ。
逃亡中のパブロはフアナがいるキカの家に立ち寄りますが、寝室で寝ているキカに欲情しレイプしてしまいます。・・・そして、その様子を隠し撮りしている謎の人物。
警察も入り乱れて、何とか(ではないですが・・・)キカは助けられます。しかし、隠し撮りされたテープがアンドレアの「今日の最悪事件」のスクープとして放送されてしまい、キカは泣き崩れます。
ここからが急展開。また、サスペンス調に戻ります。
キカは上階に住むニコラスに会いに行きますが、なぜか、キカの同僚アンパロが・・・。
ラモンが帰宅し、キカは今日の出来事を伝えますが、なぜか、あまり驚かず・・・。
上階にいたはずなのに、今まで会えずにいたニコラスが放送を観てようやくキカの家にやって来ます。
いったい、今まで何をしていたのか・・・。最後に会ったときに一緒にいた謎の女性スサーナは?
そして、アンドレアはなぜ隠し撮りテープを入手できたのか。
すべての謎が明らかになり、さらなる事件が起きます。そして、キカは・・・。
キカ役はヴェロニカ・フォルケ。「グロリアの憂鬱」で一際異彩を放っていたクリスタル役の彼女。クリスタルとキカ。2人の性格は似ているかも。天真爛漫なキカ役にピッタリです。
ニコラス、ラモン、アンドレア。それぞれの思惑に巻き込まれたキカ。
キカは、ただ愛していたかったのでしょうね。ラモンを・・・。そしてニコラスを・・・。
新たな愛を予感させるラストでしたが、また、ドタバタ騒ぎを起こすかも・・・。
それでも「愛に生きる女」キカは、きっとめげずに愛し続けるのでしょうね。
★★★★★★★☆☆☆
Title:
KIKA
Country:
Spain/France (1993)
Cast:
(Kika)VERONICA FORQUE
(Nicholas)PETER COYOTE
(Andrea Caracortada)VICTORIA ABRIL
(Ramon)ALEX CASANOVAS
(Juana)ROSSY DE PALMA
(Pablo)SANTIAGO LAJUSTICIA
(Amparo)SANTIAGO LAJUSTICIA
(Susana)BIBIANA FERNANDEZ
Director:
PEDRO ALMODOVAR